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【日常に溢れる毒】しびれや麻痺を起こす水銀とマグロの関係

まぐろ、マグロ、鮪

赤身、中とろ、大とろ

美味しいですよね。私も大好きです。

しかし、食べ過ぎると危険があります。

妊婦さんがマグロの摂取量を決められているのはご存じですか?

お魚はカラダにいいからたくさん食べた方がいいと思っていませんか?

まぐろの目を食べると頭がよくなるなんて噂もありました。EPA(エイコサペンタエン酸)の効果は確かにあります。

しかし、マグロに含まれる油EPA(エイコサペンタエン酸)とマグロに含まれる有害金属水銀のリスクは別の話です。

マグロには、アレルギーや痺れの原因の一つ水銀のリスクについてのお話です。

マグロだけでなく、大きな魚のリスクです。マグロなどの大型魚や魚介類のリスクを知って健康的な食生活のヒントにしてください。

魚介類に含まれる水銀について

厚生労働省でも、魚介類のリスクについて公開されています。

日本人はマグロが日常的な食品であるため、80%以上が魚介類から水銀を摂取しているそうです。

特に妊婦さんへの影響を考慮して指導を行っています。水銀含有量の多い魚介類を多量に食べないことが健康維持の予防になります。

【魚介類の摂食と水銀】
魚介類(クジラ類を含む。以下同じ。)は、良質なたんぱく質や健康に良いと考えられるEPA、DHA等の高度不飽和脂肪酸をその他の食品に比べ一般に多く含み、また、微量栄養素の摂取源である等、健康的な食生活にとって不可欠で優れた栄養特性を有しています。
魚介類はこのように利点が多い食材ですが、反面、自然界に存在する水銀を食物連鎖の過程で体内に蓄積するため、日本人の水銀摂取の80%以上が魚介類由来となっています。また、一部の魚介類については、特定の地域等にかかわりなく、水銀濃度が他の魚介類と比較して高いものも見受けられます。
水銀に関する近年の研究報告において、低濃度の水銀摂取が胎児に影響を与える可能性を懸念する報告がなされていることを踏まえ、妊娠中の魚介類の摂食について以下の注意事項を公表しているところです。
厚生労働省が実施している調査によれば、平均的な日本人の水銀摂取量は健康への影響が懸念されるようなレベルではありません。特に水銀含有量の高い魚介類を偏って多量に食べることを避けて水銀摂取量を減らしつつ、魚食のメリットを活かしていくことが望まれます。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/

厚生労働省より抜粋

メチル水銀による神経系の傷害

水銀が体内に蓄積されることで、カラダにはいろいろな症状があらわれます。

原因不明の障害の一部には有害金属の蓄積が考えられます。

メチル水銀は神経系の特定部位に強い傷害を起こします(下記図赤色部分)。 その結果それぞれの部位が持つ役割に応じた障害が起こります。 これが以下のような症状となり、様々な組み合わせで現れるのが水俣病の特徴です。

①わけもなくころぶ。まっすぐ歩けない。ボタンをかけたり、衣服の着脱など日常の動作が思うようにできない。(運動失調)
ことばが不明瞭。(講音障害)

②まっすぐ見たときに周辺が見えにくい。(視野狭窄)

③触れているのはわかるが手のひらに書かれた数字がわからない。さわった物の形や大きさがわからない。ざらざらとすべすべの区別がわからない。(感覚障害)

④力が入りにくい。筋肉がけいれんを起こしやすい。(運動障害)

⑤音の識別ができない。相手の言うことが聞き取れない。(聴力障害)

⑥じんじんするしびれ。さわられても感じにくい。熱いものや冷たいものにさわっても感じにくい。(感覚障害)

環境省 水俣病情報センターより

http://www.nimd.go.jp/archives/tenji/a_corner/a03.html

水銀の歴史

秦の始皇帝は老いと死を恐れていて不老不死求めていたことは「史記」にも記されています。不老不死の薬を研究させ、「辰砂(しんしゃ)」を基本原料とした“丹薬”と呼ばれる秘薬を作り上げました。しかし、主原料となる辰砂とは、水銀が硫黄と結びついた「硫化水銀」で、猛毒の水銀を含むものだったのです。水銀を飲んだ始皇帝は水銀中毒が原因で50歳で死去したのではと言われています。

始皇帝のお墓「秦始皇帝陵」には水銀の河川や海を作ったとも言われ、実際に「秦始皇帝陵」には水銀がたくさん含まれていて発掘や解明が遅れているそうです。

近代でもワクチンや医薬品には殺菌作用の高い水銀を使用しています。

水銀と人の出会いは古く、中国では紀元前から硫化水銀が顔料の「朱」として使われていました。日本でも古くから神社の鳥居や神殿の彩色、朱肉の原料などに盛んに使われてきました。
近年、化学工業の発達に伴って水銀の利用は拡大し、電気分解による苛性ソーダの製造に水銀電極として一時期大量に使用されました。また、水銀の持つ殺菌作用から、医薬品や農薬として利用されたこともありました。現在も私たちの身のまわりには、体温計、血圧計、温度計、蛍光灯や水銀灯など、水銀を用いた工業製品が存在します。

東京都健康安全研究センター
http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/issue/health/18/2-1.html

イワシやマグロなど海産魚の脂質に多く含まれる脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA), ドコサヘキサエン酸(DHA) は血中のLDL(悪玉)コレステロール値を低下させ血栓を防ぎ、脳梗塞、心筋梗塞等の血管障害を予防します。また、DHAは脳神経系に高濃度で分布し、情報伝達をスムーズにし、脳の発育、視力の向上に係わっています。健康な食生活を送るためには、特定の魚種に偏らないバランスの取れた食事を心がけることが大切です。

まとめ

もし、あなたがマグロや金目鯛が大好きでたくさん食べている、食べていた自覚があるなら、体内に溜まった水銀量を一度検査すると安心です。

水銀だけでなく、アレルギーや原因不明の疾患のリスクのある有害重金属も一緒に測定出来ます。

検査は頭髪で調べるもの、手のひらに特殊な光を当てて調べるものがあります。

有害金属は少しずつカラダに蓄積されていきます。

食べてすぐに体調が悪くなることがないため、知らず知らずのうちに溜まっていく毒なのです。

妊婦さんや妊活中の方は特に注意が必要です。もちろん小さなお子様もマグロなどの大型魚は避けたほうが安心です。

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健康医学コンシェルジュ :吉田 圭子

日本健康医学コンシェルジュ協会 メディカルコンシェルジュとして、医療現場で予防医学を学ぶ。医師と連携し、食事療法などで末期がんで余命2ヶ月と診断された父を最後まで好きなものを食べ、寝たきりにならないようにし8年介護をした経験から、日本健康医学コンシェルジュ協会を設立し、健康サービス従事者と医師、医療機関の連携。 ウソやインチキ、だましの多い健康情報の中から、正しい情報を精査する知識と能力を身につけることができる場所を提供している。

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