メンタル 医学

ストレスがカラダに与える影響とメカニズム|副腎疲労とコルチゾール

ストレスで胃が痛くなる。
お腹が痛くなってトイレに駆け込む。
やる気がおきなく、鬱っぽくなる。

そんな経験はありませんか?

ストレスがない生活なんて実際には無理な話です。
ストレスに強い人、弱い人は何が違うのでしょうか?

ストレスで体調が悪くなるメカニズムを知ると、ストレスと上手につき合っていく方法がみつかります。

ストレスそのものが問題なのではなく、ストレスをパワーアップしてしまう生活習慣、考え方や性格。その結果として副腎で生成されるコルチゾールホルモンの管理できなくなりコントロール不能になってしまうことが問題なのです。

ストレスで体調が悪くなる理由

ストレスとはカラダのバランスを崩す何らかの身体的、化学的、精神的因子であると一般的に定義できます。

このストレス因子が適切に管理されないといくつものホルモンや神経伝達物質が血管内へと流れ込み多くの生命機能を停止、制限しようとカラダを「セーフモード」状態にしたり「戦闘・逃走モード」状態にして生き延びるために命を守ろうとします。

すると、胃が痛くなったり、やる気が出なく起き上がるのもつらくなったりとカラダがいつものように機能しなくなります。

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ストレスホルモン|コルチゾール

ストレス反応に関わる主なホルモンはコルチゾールというホルモンです。

コルチゾールとは通常、体内で日中生成され続けているホルモンで副腎で作られます。

通常の状態ではその量は早朝に高く夜間は低下します。

ストレスに対応するためにカラダが作るホルモンで、主要な役割は「戦闘」「逃走」外敵から身を守るためにカラダを準備するホルモンです。「戦闘モード」「逃走モード」に入った時にはカラダの他の機能の大部分を停止、または最小限に抑え「戦闘・逃走」に備えるのです。

食べたものを消化しながら、戦ったり、全速力で逃げることはできないのです。
消化機能を停止するため、嘔吐や下痢などを起こしカラダ全体の機能を「戦闘」「逃走」に集中させます。

コルチゾールが作られる仕組み|HPA

通常の状態ではコルチゾール量は視床下部―下垂体―副腎系軸により生成されます。

視床下部-下垂体-副腎系(ししょうかぶ かすいたい ふくじんけい、英: hypothalamic-pituitary-adrenal axis)は、ストレス応答や免疫、摂食、睡眠、情動、繁殖性行動、エネルギー代謝などを含む多くの体内活動に関して、視床下部、下垂体、副腎の間でフィードバックのある相互作用を行い制御している神経内分泌系。HPA軸(HPAじく)ともいう。
ウィキペディアより

このHPA軸は簡単にいえばストレスを感じると視床下部が下垂体メッセージを伝達して、そのメッセージを受けて下垂体は副腎(副腎は2つあり、腎臓の上に対となって存在する)に連絡する。その結果副腎はコルチゾールを生成する仕組みのことです。

通常の状態ではコルチゾール量が非常に高くなると、下垂体の伝達機構が刺激され視床下部にコルチゾールが過剰生産されていると連絡し生産の中止を指令します。
それによりコルチゾールの生産が停止されコルチゾール量を通常の範囲内に抑え、カラダのホメオスタシス及びバランスを維持するための体内の制御システムが働いています。

ストレスに晒されている時間が長く継続的になると、今度は副腎が疲労してしまいコルチゾールが生成されなくなりカラダが正常に機能しなくなります。

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慢性的なストレスでコルチゾールが作られっぱなしになる

慢性的なストレス状態が続くとカラダのコルチゾール量が高いまま維持されてしまい、高コルチゾール状態を下垂体や視床下部に知らせるメカニズムが故障してうまく働かなくなってしまいます。

副腎はコルチゾールを生産し続けるため、「戦闘モード」「逃走モード」のまま。
このような慢性的な高コルチゾール状態はカラダの機能を停止してしまうため不調が起きる原因になります。

想像してください。
疲れているのにもかかわらず、毎日24時間、戦闘モードの維持を強制されている状態を。
ゆっくり眠ることも許されず、食事を楽しむことも消化して吸収することもできないのです。傷を癒すこともできません。

生活を楽しむための多くの活動は損なわれ停止してしまい、絶え間ない緊張状態、恐怖状態で暮らしているのと同じ状況なのです。
フッと気が緩んだ瞬間にドッと体調が悪くなり動けなくなってもしょうがないと思いませんか?

心配事|恐怖|不安|怒り|不満

コルチゾールの高い状態を生み出すのは心配事、恐怖、不安、怒り、不満などです。

頭から離れない不安や怒り。頭をグルグルとしている心配事があるとカラダは無意識で反応しています。

心配事が現実であっても想像上のことであってもカラダは同じように反応して「戦闘・逃走」の準備を始めます。頭は心配事を悩み続け、カラダの防御システムはコルチゾールを作るのです。

人は頭の中で最悪のシナリオやその結果を想像し思い悩むことがあります。
そのような事態が現実に起きるとは限らないのですが、カラダは本当に起きたかのように反応して準備をするのです。

カラダは厳戒態勢に入りコルチゾールの過剰な放出を止められず「戦闘・逃走」に差し支えのある生命維持活動をすべて停止させて、「戦闘・逃走」に備えて一生懸命に命を守ろうと準備します。

もちろん現実に闘う逃げる必要はないに健気にカラダは準備します。脳がカラダをコントロールしてカラダを守る防衛本能です。
本能なので、意識して止めることはできません。

意識して止めるためには、心配事、恐怖、不安、怒りを変換させて脳に安心感を与えることしかありません。

脳は無理やり笑ったりすることでも、本当に楽しいのか無理やり笑っているのかが判断できません。
無理やり笑って、コルチゾールの過剰放出をとめて「戦闘・逃走」モードを解除しましょう。深呼吸をしたり、瞑想などを取り入れるのも有効です。
無理やりリラックスさせてください。無理やり笑ってください。

コルチゾールが多い状態が続くと起こる症状

症状

  • 免疫系を損ない病気になりやすくなる
  • 胃腸の調子が悪く消化不良
  • 逆流性食道炎
  • 栄養の吸収が弱まる
  • 甘いものを食べたくなる
  • お腹と背中に脂肪が溜まりやすくなる
  • 老化が早まり、「しわやたるみ、しみやくすみ」が現れる
  • 性欲が抑制される
  • 生殖機能が低下する
  • 眠りが浅くなり、不眠症になる
  • 傷の治りが遅くなる
  • 免疫系を損なうため病気にかかりやすくなる
  • アレルギーが強くなる
  • 蕁麻疹がでる
  • 記憶力が落ちる
  • 集中力がなくなる
  • すぐにイライラしてしまう
  • 帯状疱疹などの炎症

体内でコルチゾールが大量に生成された状態を野放しにしてしまい、コルチゾールの多い状態が継続することでこのような悪影響がでてきます。


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多くの人はストレスを感じると胃腸の具合が悪くなることを経験します。
吐き気や嘔吐、食欲不振などの症状に加え、時の経過と共にストレスは深刻な腸の炎症や強い胸焼け(逆流性食道炎)を引き起こすのです。
過敏性腸症候群、クローン病、リーキーガット症候群などの慢性的な胃腸障害はさまざまなストレスホルモンや神経伝達物質が腸粘膜などの組織に作用するためです。

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戦闘モード逃走モードを継続してしまうもの

通常なら、厳戒態勢を解除しコルチゾールの生成を減らすのですが、コルチゾールの多い状態を継続させてしまう因子があります。

高コルチゾール状態が継続するもの

  • 恐怖
  • 責任感が強い
  • 怒りが治まらない
  • 心配事が頭から離れない
  • イライラしやすい
  • 神経過敏で心配性
  • 落ち着かず動き回る
  • マイナス思考
  • ストレスの多い生活や環境
  • 悲しい出来事
  • 自己嫌悪

気持ちを明るく保ち、物事をポジティブに捉えることが重要ポイントです。
ちょっと無責任に悩んでもしょうがないよねー!と言ってみてください。
自分の今の状態に気がついたら、明るく過ごすこと、今できることに意識を向けてそこにエネルギーを使ってください。

ストレス状態が長く続けば続くほど、生理学的なカラダの機能が損なわれ、結果としてがんや自己免疫疾患を含むさまざまな病気を発症するリスクが高まってしまいます。

ストレスそのものが問題ではない

人生においてストレスは避けることができません。ストレスそのものが問題なわけではないのです。
実際にある程度のストレスは私たちの日常生活での刺激や意欲を高める効果があり、むしろ人生を楽しくするエッセンスです。

いくつかの研究でわかってきていることは、がんなどの病気の発症は免疫系が弱体化した時期まで遡ることができ、その時期はその人の人生で重大なストレスが生じた時期に付合するのです。

問題はそのストレスをコントロールできなくなった時。客観的に捉えることが出来なくなった時に爆発します。
心配事、怒りそしてさまざまな否定的な考えや行動がその人の人生を支配してしまう時に問題が起きてしまいます。このような時にはコルチゾールが高い状態が制御されなく減少しません。

HPA軸が乱れ正常に機能しなくなってしまい、全身の機能が弱まってしまいます。

問題はストレスそのものではなく、ストレス因子とその結果として生成されるコルチゾールホルモンのコントロール能力が欠けてしまうことです。

ストレスを管理してコントロールする

ストレスが管理できなければ、時間の経過とともにカラダの機能が乱れ、停止して不健康な経路をたどってしまうのです。
ちょっとカラダにいいことを取り入れても、正常に戻すには時間も努力も必要になってしまいます。

ストレスでカラダがどのように反応してしまうのかがわかったら、脳をだましてストレスケアができます。

ストレスに立ち向かい、その悪い生化学的影響を避けるために数々の方法やライフスタイルが今は注目されているのはこのためです。
瞑想、マインドフルネスや数々のリラックス方法が注目されているのには理由があります。

内面的な幸せをもたらすような環境に身をおくことが大切です。
いつも愚痴ばかり、悲観的な人とは距離をおいて、いつも明るく元気で前向きな人と一緒に過ごしましょう。

明るく元気な人と楽しく過ごす!大声で笑ってしまう。
そんなことで、「戦闘モード」「逃走モード」が解除されます。

マイナス思考がカラダの機能を低下させ病気を生んでしまうことを忘れないでください。

ストレスケア|マインドフルネス|書く瞑想「ジャーナリング」のやり方

頭の中を整理する方法。ただ紙に書くという作業をすることが瞑想と同じような効果があります。思ったこと、頭に浮かんだことを書くだけなので、いつでもどこでも出来る「頭の整理」「ストレスケア」です。

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健康医学コンシェルジュ :吉田 圭子

日本健康医学コンシェルジュ協会 メディカルコンシェルジュとして、医療現場で予防医学を学ぶ。医師と連携し、食事療法などで末期がんで余命2ヶ月と診断された父を最後まで好きなものを食べ、寝たきりにならないようにし8年介護をした経験から、日本健康医学コンシェルジュ協会を設立し、健康サービス従事者と医師、医療機関の連携。 ウソやインチキ、だましの多い健康情報の中から、正しい情報を精査する知識と能力を身につけることができる場所を提供している。

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