医学

40代から始める認知症予防 脳の活性化編

認知症予防法として、脳の活性化をすることが注目されています。運動や食事だけでなく、脳に刺激を与えて、よく休めることがポイントです。毎日の生活に脳を活性させる習慣を40代からつけておくことが認知症予防に効果があります。
定年を迎えたら、急にボケてきたなどの話を聞いたことはありませんか? 仕事が忙しく、趣味が少ない、仕事以外での友人が少ない人は、今日から簡単にできることをまとめましたので参考にしてください。

刺激により成長する脳

最近になって記憶や学力能力を司る海馬では高齢になっても毎日新しい神経細胞が生まれていることが明らかになりました。神経細胞の新生を促すためには運動や血液中の栄養の他に、脳に刺激を与えて活性化することが有効です。
例えば足し算引き算などの計算問題や連想ゲーム、おしゃべりなど簡単なことでも十分脳への刺激となり、海馬を活性化することができます。 楽しくないと逆効果になりますので楽しくやることがポイントです。

コンピューターソフトによる認知機能活性化プログラムも色々と考案されています。ひとつのゲームを繰り返し行うより色々なソフトを組み合わせた複合的なものがいいようです。
「見当識」 「注意力」「記憶力」「計画力」「空間認識力」この後側面を組み合わせたゲームなども開発されています。

頭と体を同時に使ってさらに予防効果アップ

体を動かすことや頭を使うことはそれぞれ予防効果がありますが、暗算やしりとりをしながらウォーキングをするというように二つを組み合わせるとさらに効果が高まります。これはデュアルタスク(二つの課題)という方法で、歩くという課題と暗算という課題を同時に行うことを意味します。ただ黙々と歩くより咲いている花や小鳥のさえずりに注意しながら歩くことでもデュアルタスク効果が得られます。

いつもと違う景色を楽しみながら歩くことも効果が高まります。いつも行かないところに出かけてみませんか?

室内でマシーンを使って歩いたり、走ったりする場合は、デュアルタスクになるように、暗算やしりとりなどを行いながら行う工夫をしましょう。

音楽を聴きながら、黙々とトレーニングするのは、認知症予防には効果が少なくなります。

外の景色を楽しみながら散歩したり、ジョギングをする方がデュアルタスク効果を得られ認知症予防効果が高まるのです。

趣味を持つことで認知症予防

趣味など楽しくて熱中できるものを持つことは脳を刺激し衰えさせません。認知症予防が高いと言われる代表的な趣味を紹介します。

  • スポーツ一般
  • 旅行
  • 料理
  • 園芸ガーデニング
  • 農作業
  • 絵を描く
  • 陶芸
  • 芸術鑑賞 コンサート、美術館、演劇
  • カラオケ
  • ダンス
  • パソコン
  • 囲碁、将棋、麻雀、トランプゲーム
  • ハーブティーなどの香りを楽しむ
  • 新しいことに挑戦する
  • ペットを飼う
  • 日記手紙ブログなど文章を書く

一人で行える趣味もありますが、なるべく人との関わりを持つことが認知症予防には効果的です。同じ趣味の人と話をすることだけでも、認知症予防になるのです。

「見当識」 「注意力」「記憶力」「計画力」「空間認識力」この5つを使うことを意識してください。

毎日1回の大笑いがおすすめ

笑うと分泌されるドーパミンが脳を活性化し、ストレスが解消されます。笑わない人 笑う人より3.75倍認知症になりやすいというデータもあります。毎日大笑いして生活することを心がけましょう。

そんなに毎日、大笑いすることなんてない。と思いませんか?

ちょっとしたことでも、大笑いするようにすればいいのです。

クスッと笑っていたのを意識して声を出す大笑いに変えましょう。大笑いする練習をすると、だんだんおかしくなってきて、大笑いにしてしまいます。なんでもいいので、笑う練習をしてください。

大笑いできる、映画などを用意しておくのもいいでしょう。

笑い事では済まないストレスの影響

過度のストレスは海馬にダメージを与えます。ストレスはストレスホルモンと呼ばれているコルチゾールやACTHの値を高め、全身の血管を収縮させて血流を悪化させます。血流が悪化すると血液中の栄養分野酸素が脳に届かなくなります。またストレスホルモンの直接作用により神経細胞は死滅します。

運動や笑うことが脳に良い理由は、緊張を緩和しストレスを解消する効果もあるためです。ストレスを発散し楽しんで生活することが認知症予防の近道です。

睡眠でしっかりと脳を休める

寝る子は育つと言うように睡眠は体を休めるだけではなくどうも休息を取るのと同時に脳内に溜まった老廃物を効果的に排出し、脳が育つのです。さらに記憶は寝ている間に成立すると言われています。 また別の調査では睡眠不足は肥満リスクを上げることが分かっており睡眠は生活習慣病にとっても重要なポイントです。
理想的な睡眠時間は7時間前後と言われていますが、一般的に高齢になると睡眠の質と量が低下するため思うように睡眠が取れなくなってきます。短い睡眠時間でも睡眠の質を高めていくよう工夫することが必要です。

質の良い睡眠をとるために必要なこと

睡眠環境を整える

暗くて静かな部屋で温度や湿度も調整してねつきやすい環境づくりを心がけます。
アロマなどで香りなどをプラスすることもおすすめです。

太陽の光にあたる

朝目覚めた時には日光を浴びることで体内時計がリセットされ夜の睡眠リズムを整えてくれます。日中に太陽の光を浴びることで、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌が盛んになり眠りに入りやすくなります。

夜はブルーライトを避ける

体内時計を狂わせるテレビ、パソコン、スマホなどのブルーライトは夜9時以降は寝るだけ避けるようにし、 部屋の電気も一段落とすことが質の良い睡眠につながります

毎日同じ時間に起床し就寝する

体内時計がきちんと働くように寝る時間起きる時間を一定にします。休日でも同じ時間に起きて活動することが疲れをとる良質な睡眠が得られます。

日中の活動量を増やす

日中に頭と体を使い活動量を増やすことで深い睡眠が得られます。 なるべく外出し、活動量を増やすようにしましょう。

睡眠前の食事

寝る直前に食事をすると胃がもたれて睡眠の質が低下します。 睡眠中も消化活動をすることで、体の再生や休息がうまくできなくなります。就寝前の3時間以内に夕食を取る場合は軽めに済ませるようにしましょう。

カフェイン・アルコールの摂取を控える

夜は覚醒作用のあるカフェインを多く含むお茶やコーヒーは避けましょう。角のアルコールも睡眠の質を下げるのでほどほどにしましょう。

昼寝を上手に取り入れる

日中眠くなったら短時間(30分以下)の昼寝が推奨されています。30分程度であれば脳のリフレッシュになり認知症のリスクが下がることが分かっています。1時間を超える昼寝は逆効果ですので気をつけてください。

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まとめ

脳を活性化するというと難しいことのように聞こえますが、毎日を楽しむことでいいのです。楽しみながら生活をしていくことが一番重要なことで、海馬も活性され認知症予防になるのです。いつもと違うことを注意して行う、それを楽しむ。そして、よく寝る。毎日規則正しい生活を送る中で、意識していつもと違うことを見つけることで、脳は動きます。

同じ電車に乗り、同じ場所で仕事をして、同じお店で同じ人と食事をするのは安心ですが、脳への刺激は足りません。いつもと違うことを楽しみ習慣を作ってください。

今を楽しむことが一番です。

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健康医学コンシェルジュ :吉田 圭子

日本健康医学コンシェルジュ協会 メディカルコンシェルジュとして、医療現場で予防医学を学ぶ。医師と連携し、食事療法などで末期がんで余命2ヶ月と診断された父を最後まで好きなものを食べ、寝たきりにならないようにし8年介護をした経験から、日本健康医学コンシェルジュ協会を設立し、健康サービス従事者と医師、医療機関の連携。 ウソやインチキ、だましの多い健康情報の中から、正しい情報を精査する知識と能力を身につけることができる場所を提供している。

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